百年経ったら
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『廃棄』
アームを伸ばして掴んだ瓦礫を無造作に谷底に投げ捨てた、その時だった。矢庭に駆け寄った男が叫んだ。
「ロボットが動いてる! 操作者がどこかにいるのか?」
『私は自律型ロボットです。あなたは?』
「環境汚染で世界が滅んでから、汚染されてない環境を渡り歩いて、一人で生き延びたんだ。近くに人はいないのか?」
『私は環境を清浄に復元した後、冷凍された人類を迅速に復活させる使命を負って、滅亡寸前の人類から起動されました。最後の人間が死んでからは、ずっと一人です』
「なら生きて動ける人間はもう、俺以外にいないのか。でも嬉しいよ。会話ができるだけで」
『あなたは人間ですか?』
「もちろん」
朗らかに笑った男の首をアームが掴んだ。
『環境の清浄化と、冷凍された人類の迅速な復活のために、環境汚染の原因である「人間」は排除します』
無造作に投げ捨てられた男の悲鳴が谷底に長い尾を引いた。
『廃棄』
アームを伸ばして掴んだ瓦礫を無造作に谷底に投げ捨てた、その時だった。矢庭に駆け寄った男が叫んだ。
「ロボットが動いてる! 操作者がどこかにいるのか?」
『私は自律型ロボットです。あなたは?』
「環境汚染で世界が滅んでから、汚染されてない環境を渡り歩いて、一人で生き延びたんだ。近くに人はいないのか?」
『私は環境を清浄に復元した後、冷凍された人類を迅速に復活させる使命を負って、滅亡寸前の人類から起動されました。最後の人間が死んでからは、ずっと一人です』
「なら生きて動ける人間はもう、俺以外にいないのか。でも嬉しいよ。会話ができるだけで」
『あなたは人間ですか?』
「もちろん」
朗らかに笑った男の首をアームが掴んだ。
『環境の清浄化と、冷凍された人類の迅速な復活のために、環境汚染の原因である「人間」は排除します』
無造作に投げ捨てられた男の悲鳴が谷底に長い尾を引いた。
『廃棄』
SF
公開:20/03/16 02:14
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