飛翔する目玉焼き

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今朝、唐突に目玉焼きが食べたくなった。
ので、焼いてみた。私は七分熟の、黄身中心にオレンジを残す加減が好きだ。焼くのは片面のみ、白身の縁は薄く焦がし、カリカリの歯触りを楽しむ。
あればハムかベーコンを引き、調味料は醤油を数滴。蓋をして、黄身に膜を掛けるかどうかは気分次第。じっくり弱火を通しつつ、フライパンをぼーっと眺める、休日の朝はちょっと幸せだ。
円盤状に焼けた目玉焼きを見ていたら、今度はフリスビーがしたくなった。英語でフライドエッグと言うくらいだし、良く飛ぶに違いない。しかし、ただ投げるのも勿体ない。と思ったところで、うちの犬が吠えた。後でもう片目焼く事に決め、粗熱を取って窓からスロー。――おぉ飛ぶ飛ぶ。そして犬も跳ぶ、ダイビングキャッチ!

――しなかった。
犬の舌先で、目玉焼きが鋭角旋回、そのまま空へ飛び去った。
数時間後、新日本空飛ぶ円盤研究会(NJFSA)とやらから電話が来た。
ファンタジー
公開:20/03/13 10:26
更新:20/03/13 10:35
目玉焼き(fried egg) fryとfly

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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