Going Underground

海沿いの地域にある会社に再就職して初出勤の日、古ぼけた駅舎に着くと既に大勢の人が電車を待っていた。
切符を買おうと券売機に行くと、そこには…。
"大人400円　小人100円”
(何だ？このザックリとした料金表示…遊園地かよ…田舎だからかな……あ、もう来た！急がないと…)
僕は人波に揉まれながら電車に乗った。
(……満員電車はどこも変わらんなぁ…)
と、溜め息を吐いた瞬間、側板が外れ床が波打ち始めた！

ギャー！　ヒー！　もうヤダー!
(おお…来たの、畝っとるわ。まずは今日も"大人”の"人波”からか。ハハ、騒がしいの)
キャー！　ウオー！　楽しいー！
(次は"小人”の"人波”か、可愛いもんじゃの。海のもいいが最近はこっちの"大波小波”の方も好きじゃの)

「あ、あれはアトラクションも兼ねていてね。最近は独居老人も増えてきたから、その人達への細やかな楽しみにもなって」
「地下鉄は無いですか？」