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ファストフード店でハンバーガーを喰らおうと顔を下に向けた瞬間、今までにない目眩が僕を襲った。目の前が少し渦巻いたかと思うと、景色が僕の後ろ側に倒れるように迫ってきた。足を着く床は45度に傾いている。僕はその傾いた世界の中でまるで重力を無視して相変わらず机に座ったままハンバーガーを持っている。おかしいな。床は傾いているけど、天井はそのまま。おかげで天井で体操座りする君に出会えた。
君は重力に従いこちら側に垂れる長い髪を揺らしながら「美味しそうね。」と言ったね。
だからハンバーガーを食べて欲しくて、僕は精一杯右手を伸ばしたよ。そしたら君は自分の垂れる髪を押しのけて腕を伸ばし、受け取ってくれたね。
それから僕は君をずっと見つめていた。君に触れたくて伸ばす手も、君の垂らす髪にしかさわれなかったけれど。
目眩が終わり、普段と変わらない景色に戻った。
目の前で僕のハンバーガーを食べてる君以外は。
君は重力に従いこちら側に垂れる長い髪を揺らしながら「美味しそうね。」と言ったね。
だからハンバーガーを食べて欲しくて、僕は精一杯右手を伸ばしたよ。そしたら君は自分の垂れる髪を押しのけて腕を伸ばし、受け取ってくれたね。
それから僕は君をずっと見つめていた。君に触れたくて伸ばす手も、君の垂らす髪にしかさわれなかったけれど。
目眩が終わり、普段と変わらない景色に戻った。
目の前で僕のハンバーガーを食べてる君以外は。
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公開:20/03/12 21:44
更新:20/03/12 23:37
更新:20/03/12 23:37
夜野 るこ と申します。
(よるの)
皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。
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