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伝説の相場師と言われた男だ。そんな奴が失敗する確率はどのくらいだろうか。もちろん相場の世界は一寸先は闇だから決して甘くみてはいけない。独自のアプリを開発し大儲けをしていた。売り時買い時には蛍みたいに灯が点滅するよう設定し、複雑怪奇な秘境とも言える金融世界の用語を次々と入力していった。TOPIX、PER、PBR、BPS等。資金のことを吉備団子と名付け、アプリの名を「桃太郎」とした。「桃太郎」は順調に成果を上げ、通帳残高はどんどん膨らんだ。
しかし、異変は突然、起きる。
相場師が鼻歌を歌いながら入浴中のことだった。何がどうバグってしまったのか。アプリが暴走しだした。どんどん数字が下がっていく。異変に気付いた相場師がパソコンの前に座るやいなや、
「成敗じゃーっ」
と、若武者が叫んで相場師に斬りつけた。桃太郎は相場師を「鬼」と認識した。
相場師の額には、日本刀が突き刺さっていた。
その他
公開:20/03/11 23:47
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