図書館へ芝刈りに
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むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんがおった。ある日、お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行ったそうな。
お爺さんは途中で辺りを見渡すと、こっそり図書館へと向かった。
「わしらは子宝に恵まれんかった。しかし、わしも婆さんも子供は好きじゃ。何とかならんもんか…」
お爺さんが図書館で借りたのは、養子縁組に関する本だった。
「吾作どんのところは、子沢山で生活が大変と聞く。どうじゃろう、一人くらい…ウチに…」
帰り道、お爺さんは吾作どんの家の前を通りかかった。屋根が傾いた狭い家から、子供達の声が聞こえる。賑やかで、楽しげで、仲睦まじい…。
「わしは間違っておった。なんと浅はかなことを…」
家に帰ると、お婆さんが大きな桃を抱えて戻ってきた。
「こんな大きな桃、二人では食べきれんのう…。そうじゃ、吾作どんにお裾分けしよう」
柔和な表情でお爺さんが桃を切ると、中から…。
お爺さんは途中で辺りを見渡すと、こっそり図書館へと向かった。
「わしらは子宝に恵まれんかった。しかし、わしも婆さんも子供は好きじゃ。何とかならんもんか…」
お爺さんが図書館で借りたのは、養子縁組に関する本だった。
「吾作どんのところは、子沢山で生活が大変と聞く。どうじゃろう、一人くらい…ウチに…」
帰り道、お爺さんは吾作どんの家の前を通りかかった。屋根が傾いた狭い家から、子供達の声が聞こえる。賑やかで、楽しげで、仲睦まじい…。
「わしは間違っておった。なんと浅はかなことを…」
家に帰ると、お婆さんが大きな桃を抱えて戻ってきた。
「こんな大きな桃、二人では食べきれんのう…。そうじゃ、吾作どんにお裾分けしよう」
柔和な表情でお爺さんが桃を切ると、中から…。
ファンタジー
公開:20/03/11 21:40
スクー
図書館へ芝刈りに
30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。
長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。
Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00
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