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待ちに待った日曜日、開店と同時に大勢の客がなだれ込む。僕達親子はその波にのまれながらデパートに入る。
僕は外国語が書かれたメダルを握りエスカレーターに急ぐ。パパは早速食品売場を冷やかしているだろう。
「レディース&ジェントルメン!」
ステージではマジックショー、ドラムロール後の歓声は何かが現れたのか消えたのか。脇目も振らずに屋上を目指す僕には知る由もない。
よし、まだ誰もいない!待っていろ今日こそ777を出してやる!

今日こそ777を出してやる!
日曜日、二十年振りに訪れれば建物は白いシートに囲われていた。項垂れる僕を息子が慰める。
「レディース&ジェントルメン!」
どこからか声が聞こえ、ドラムロールが響いた後にシートが落ちた。
突然沸いた歓声と共に現れたのは、あの頃のデパート。僕達親子は人波にのまれながら屋上へ向かう。
「ねえパパ、これ何て書いてあんの?」
メダルの文字は今も読めない。
ファンタジー
公開:20/03/11 19:41
更新:20/03/12 01:21

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