地球はトマト
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昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。
お爺さんはタロ芋堀りのためアンデス地方へ、お婆さんはマンゴを探しにアマゾン流域へ向かいました。けれども、お爺さんが収穫して持ち帰って来たのはトマトの桃太郎、お婆さんが持ち帰って来たのはフルティカでした。
これはどうした事かと話していると隣の意地悪爺さんがこんな事を言い出した。
「何だ、そんな事も知らないのか。この地球はトマトで出来ているのだよ」
「なんだって」
「その証拠にお前の血は赤いだろ」
「確かに」
「夕日も赤いだろ」
「確かに。でも、昼間は赤くないじゃないか」
「これだから素人は困る。あれはまだ熟れていないのさ。だから空や海が青かったり、黄色かったりするのさ。稲だって実のるほど次第に頭が垂れて来るものだろ。熟してくると地面に近くなるんだ」
「そう言われればそんな気がするな」
「教えてやったのだからそのそのトマトをよこせ、ほら」
お爺さんはタロ芋堀りのためアンデス地方へ、お婆さんはマンゴを探しにアマゾン流域へ向かいました。けれども、お爺さんが収穫して持ち帰って来たのはトマトの桃太郎、お婆さんが持ち帰って来たのはフルティカでした。
これはどうした事かと話していると隣の意地悪爺さんがこんな事を言い出した。
「何だ、そんな事も知らないのか。この地球はトマトで出来ているのだよ」
「なんだって」
「その証拠にお前の血は赤いだろ」
「確かに」
「夕日も赤いだろ」
「確かに。でも、昼間は赤くないじゃないか」
「これだから素人は困る。あれはまだ熟れていないのさ。だから空や海が青かったり、黄色かったりするのさ。稲だって実のるほど次第に頭が垂れて来るものだろ。熟してくると地面に近くなるんだ」
「そう言われればそんな気がするな」
「教えてやったのだからそのそのトマトをよこせ、ほら」
公開:20/03/12 05:22
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