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 突然の雨を避けようと飛び込んだ雑居ビルの奥に「図書館」を見つけた。
「入れてもらえますか?」
「どなたでも受け入れますよ」
 部屋の暗さに目が慣れると、たくさんの棚の前に、隙間がないほど人がいて、みな本を選んでいるようだった。
「それではこちらにご記入ください」
 司書がアンケート用紙を持ってきた。それは私の詳細な履歴の記入を求めていた。私はこの図書館に興味を覚えたので全て記入し司書に渡した。
 司書はそれを一読し
「スペイン語がご堪能なのですね」
と目を輝かせた。
 私は、カルチャーセンターでスペイン語の講座を持っている、と説明した。
「リーディングとライティングでは、どちらがお得意ですか?」
「ええと。リーディングですね」
 すると司書はアンケート用紙に何かの印を押した。とたんに僕は体の力が抜けた。そして額に「867」という刺青を彫られ、スペイン語の棚の前に、鎖で繋がれたのだった。
ホラー
公開:20/03/10 15:49

新出既出20( 浜松市 )

新出既出です。
twitterアカウントでログインしておりましたが、2019年末から2020年年初まで、一時的に使えなくなったため、急遽アカウント登録をいたしました。過去作は削除してはおりませんので、トップページの検索窓で「新出既出」と検索していただければ幸いです。新出既出のほうもときおり確認したり、新作を挙げたりします。どちらも何卒よろしくお願いいたします。
自己紹介:「不思議」なことが好きです。

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