失った左腕
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僕は煙草の火を揉み消した。
「君はそんなつまらない話をする為に、わざわざ訪ねてきたのかい?」
目の前の少女は体を強ばらせ、大きな丸い眼には、溢れんばかりの涙を溜めていた。
彼女が外した手袋の下には、鉛色の義手が鈍い光を放っている。
震える肩にそっと手を置く。やはり……、間接があるべき場所には、拳大の鉄球があり、金属の冷たさが薄いブラウスの生地を通して伝わってきた。左腕は全て義腕になっているようだ。
「君が復讐をするためにどんな体になろうと知ったこっちゃないさ。ただ、死ぬ理由を僕に求めないでくれ」
僕は、彼女から手を離し、もう一度ソファーに腰を落ち着けた。
「ここで傭兵として働く為に、失った左腕を改造したその意気込みは認めるよ。ただ、君はあまりにも……」
彼女は何も言わずに手袋をつけ直した。
「死ぬ覚悟が強すぎる」
去り際の彼女の背に、僕は呟くのだった。
「君はそんなつまらない話をする為に、わざわざ訪ねてきたのかい?」
目の前の少女は体を強ばらせ、大きな丸い眼には、溢れんばかりの涙を溜めていた。
彼女が外した手袋の下には、鉛色の義手が鈍い光を放っている。
震える肩にそっと手を置く。やはり……、間接があるべき場所には、拳大の鉄球があり、金属の冷たさが薄いブラウスの生地を通して伝わってきた。左腕は全て義腕になっているようだ。
「君が復讐をするためにどんな体になろうと知ったこっちゃないさ。ただ、死ぬ理由を僕に求めないでくれ」
僕は、彼女から手を離し、もう一度ソファーに腰を落ち着けた。
「ここで傭兵として働く為に、失った左腕を改造したその意気込みは認めるよ。ただ、君はあまりにも……」
彼女は何も言わずに手袋をつけ直した。
「死ぬ覚悟が強すぎる」
去り際の彼女の背に、僕は呟くのだった。
SF
公開:20/03/09 07:00
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