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冤罪をかけられた。相手はJKだった。
「痴漢です!!」
そう言って手を掴まれた瞬間から、記憶がない。気がつけば裁判官の前にいた。

私はやっていない。しかし証拠がなかった。一方でなぜか痴漢現場を見たという証言者がおり、形勢は最悪だった。
私は知っていた。どんなに訴えたところで、証拠がなければ意味がない。私は牢獄行きだ。
せっかく部長に昇格し、マイホームを購入し、妻子にも恵まれたというのに。
「あぁ…すべての幸せとさよならだ」
そう呟き、私はただ判決を待った。

ドンドンッ!
「それでは判決を言い渡す。被告人を、無罪とする」
傍聴席からどよめきが起きた。相手側は怒り狂っている。
「静粛に。近年日本では、過去の言動から算出する『信用指数』によって、国民を管理している。両者の『信用指数』を鑑みれば、原告人と証言者の発言は信用に値しない。今後一切、冤罪が起きることはない!」

私は、泣き崩れた。
SF
公開:20/03/08 21:57

穂星ムヒカ。

目標だった10作品投稿できたので、これからはのんびり投稿していきます。

他ジャンルで大賞受賞経験ありますが、ショートショートは初心者です。
ショートショートが好きで挑戦中ですが、そもそも物書きの経験が浅いので、ここで修行しています。

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