すごい本(退屈編)

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 この小説は、判で押したようにお決まりの日常風景が坦々と続く。会話は全て典型的な役所の窓口職員のように事務的、無抑揚な調子で行われ、常套句ばかりが延々と続く。内容も同じことを言葉を変えて繰り返すばかりで、ひどく退屈極まりない。繰り返すが、登場人物はみな無表情で、個性がなく、丸暗記した会話のマニュアルをただ読み上げるかのように、四角四面な言葉遣いばかりする。そこで語られることと言えば、どれも表面的で建前と言えるようなことばかりである。どの登場人物も価値観の尺度は変わらず、質問に対する答えは、イエスとノーの二択で固定化されている。この物語世界では、このように一から十までが型に嵌められており、全てが予測通りに慣例的で、定型的で、ただ恒常的に、無意味に、同じことを繰り返し、反復するだけで、どこにも進展はなく、全てが不毛極まりない。無味乾燥とはまさにこのこと。眠れない夜には、是非本書を。
その他
公開:20/03/09 21:14
すごい本シリーズ

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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