ネジ
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ネジをぽろぽろ落としながら、ギイギイと錆びた音を立てながら、さいごの太陽が空を横切っていく。ぼくはそれを見上げながら、裏路地を歩いている。「さいごの太陽です。お洗濯物が乾くのも今日までですよ」どこかの家でテレビがわめいている。ぼくはうつむく。影もうつむく。その影の中に、太陽が落としたネジを見つける。つま先で蹴ったら、ネジは、キラキラと輝きながらドブに落ちていって、そのキラキラした光を見ていたら、ぼくはますます寂しくなった。
ファンタジー
公開:20/03/08 18:47
note( https://note.com/tomokotomariko )その他でも短い読み物を書いています。
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