お守り

眉目秀麗の両親から生まれた私はその遺伝子を強く受け継ぎ、幼い頃からまるで人形のようだと持て囃された。
そんな私が一人暮らしをしたいと言った時、両親は猛反対した。
『仕方ないなぁ…私達が一緒に暮らしてあげる。それならいいでしょ？』
マリーがそう言ってくれた事で両親も渋々許してくれた。
私の一人暮らしが始まった。
私が町を歩けば、スカウト、ナンパ、多くの男が言い寄って来た。
それににらみを利かせるのは鞄の中に潜んでいる日本人形の松子だ。彼女は髪の毛をシュルシュルと伸ばすと男達を締め上げる。
松子がいてくれるおかげで私は安心して外を出歩ける。
家に帰るとマリーがまたストーカーを捕まえていた。
包丁を持ったフランス人形を前に、ストーカーは恐怖のあまり失神してしまったようだ。
呪いの人形、なんて言われる彼女達だが私にとっては姉妹も同然だ。
ま、彼女達は自分の事を私のお守りだ、なんて言っているけどね。