ラクダ

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 眠る前、考え事をして、眠れなくなった。考え事なんてしなければいいのに、私は自分をコントロールすることができなかった。私は会社を辞めることについて考えていた。私には働くことが、いつも不自然に感じられた。体が、合っていなかった。明日、いや、しばらくの間は生きていくだけのお金があるのに、明日も働くということを受け入れることが難しかった。私は何度も寝返りを打ち、目を開けたり閉じたりしていた。ラクダ、そう、ラクダの姿が頭の中に現れたのは、突然のことだった。ラクダはデパートの化粧品売り場の前を歩いていた。ラクダは三塁からホームに向かって歩いていた。ラクダはボロいアパートの廊下を歩いていた。ラクダは……ラクダは……目が、微睡んでいた。
その他
公開:20/03/08 03:33

杉将

基本的に、無、です。

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