青空図書館

派遣会社からアルバイトの依頼があった。図書館での軽作業らしい。

そこは田舎町だった。こんなところに図書館なんてあるの？　現地に着いたそこは広大な草原。快晴な空の下で家族連れやカップルが芝生に寝転がり、読書をしている。待ち合わせ場所にスタッフがきた。
「あの、図書館は？」
「青空図書館なんです」
「青空図書館？」
「ええ、倉庫にある本をドローンで運ぶシステムなんです」
「なるほどね。で、ここの芝生を刈るのですか」
「そうです。このエリアの隣を芝刈り機でお願いします」

私は、なんとか仕事を終えた。
ついでに青空図書館を利用することにした。会員登録すれば専用のリモコンで本を運んでくれる。ドローンが客を見て年齢層に応じた本も運んでくれるみたい。それにしよう。
暫くしてドローンが来た。

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だと？「どこ見てんのよ！」
ドローンは嘲笑うように青空に舞い上がった。