世界の終焉

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2099年、ついにこの日が訪れた。

兆候はだいぶ前からあった。そのことを指摘した学者もいた。

いつの日か周りの景色に変な色が混じりはじめた。

そして動物たちの様子がおかしくなった。

ついに遠い国の人たちからの連絡が途絶えた。


今日は終焉の日。

ボクはひとりで部屋に残り、前時代の骨董品、ラジオを聴いていた。

『ガーガー・・・臨時・・・ニュース・・・です・・・ピーピー・・・』

かろうじて音声が聴こえる。

『・・・本日・・・ガーガー・・・太陽活動の・・周期と地軸の・・・位置関係で・・・ガーガー』

だんだんとラジオの音声が小さくなり、それとともにボクの周りも暗くなっていった。

『・・・ピーピー・・・世界中の・・通信が・・・遮断・・・復旧まで・・・ガーガー』

プツン。


世界はそこで無になった。


どうしよう。電脳空間の外になんて、ボクは恐ろしくて出ていかれない。
SF
公開:20/03/06 00:12
更新:20/03/09 07:31

よしお

400文字に収めるのに四苦八苦していますが、いろいろなジャンルにチャレンジしたいです。

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