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目の前に広がるピンクの嵐をコンマ2秒で駆け抜ける。桜吹雪と散った桜で溢れた道はまるでピンクの大海みたいだーー。
朝は苦手だ。
いつも遅刻ギリギリだ。
だけど学校へと続くこの道を自転車で行くのは好きだ。ずっとこの桜を見ていたいーー。
「ねえ、しってる?この道、昔、大きな桜の木があってすっごく綺麗だったんだって。」
「えー、そうなんだ、知らなかった!なんでなくなったの?台風とか?」
「いや、猛スピードで下ってきた自転車と車がぶつかった時に巻き込まれて折れちゃったから撤去されたらしいよ。」
「そーなんだ!詳しいね。事故った人どうなったんだろ?」
「車の人は軽傷だったけど、チャリの人は重体でしばらく意識不明だったらしいよ。」
「気の毒、ってか詳しいね?」
「うん、だってパパとママの話だから」
「え?」
「その事故で知り合ったの、私のパパとママ」
「あー!」
「そ、だから私の名前、桜。」
朝は苦手だ。
いつも遅刻ギリギリだ。
だけど学校へと続くこの道を自転車で行くのは好きだ。ずっとこの桜を見ていたいーー。
「ねえ、しってる?この道、昔、大きな桜の木があってすっごく綺麗だったんだって。」
「えー、そうなんだ、知らなかった!なんでなくなったの?台風とか?」
「いや、猛スピードで下ってきた自転車と車がぶつかった時に巻き込まれて折れちゃったから撤去されたらしいよ。」
「そーなんだ!詳しいね。事故った人どうなったんだろ?」
「車の人は軽傷だったけど、チャリの人は重体でしばらく意識不明だったらしいよ。」
「気の毒、ってか詳しいね?」
「うん、だってパパとママの話だから」
「え?」
「その事故で知り合ったの、私のパパとママ」
「あー!」
「そ、だから私の名前、桜。」
青春
公開:20/03/05 20:17
更新:20/03/05 21:42
更新:20/03/05 21:42
桜、坂道、青春
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