社会の小さな復讐者　下

僕はTがトイレに行くところを追って、トイレの中に入った。顔を洗っていたTの首めがけ、僕は右手の指先を細く尖らせ、Tの顎をこじ開けると同時に左腕に絡ませ、頭を前方と後方に挟んで締め上げた。Tは声もなく抵抗を続けた。
　
　殺してしまってはいけないので、僕はギリギリのところで放した。

　その瞬間、Tの裏拳が僕の顔に炸裂した。
鼻から流血して、頭の中が真っ白になった。
も　う　だ　め　だ　… ？？？？！！！！

　


　


　僕が朦朧とした意識の中で見たものは信じられない光景だった。





　

　
　バンと扉が開いた、そこに立っていたのは小学5年生くらいの男の子だった。「いじめはだめなんだよ！」と叫んだ瞬間、凄い速さで回し蹴りをTの顎に当てていた！Tは失神して泡を吹いた。

男の子はテレビにも出た天才空手家で、たまたま撮影で会社に来ていたのだった。