怒られタイヤード
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「お前この前も同じこと言われただろ! ちゃんとメモしておけ!」
上司の玉田に怒られた前田は、肩を落としてデスクに向かった。
「はぁ……参ったな……」
ため息をつきながら、前田はメールを開く。その時、後ろから誰かが肩を叩いた。
「おいおい、元気ないじゃないか。どうしたんだ?」
声を掛けたのは、同期の川本だった。
「実は……俺、今日怒られたの、まだ1回目なんだ」
「え、そうなのか? 朝のは違うのか? 大声出してたけど」
「あれは笑い声だ。お前はいいよな、もう3回目だろ?」
「そうだが、宮本なんてもう今日10回だぜ? いいよなぁ」
この会社では、玉田が素質があると見抜いた人間ほど玉田に怒られる。怒られない人間は早々に退職することが多い。
今日も玉田の怒鳴り声が聞こえる。それを聞きながら、他の社員は羨望のまなざしでパソコンを見続けるのだ。
上司の玉田に怒られた前田は、肩を落としてデスクに向かった。
「はぁ……参ったな……」
ため息をつきながら、前田はメールを開く。その時、後ろから誰かが肩を叩いた。
「おいおい、元気ないじゃないか。どうしたんだ?」
声を掛けたのは、同期の川本だった。
「実は……俺、今日怒られたの、まだ1回目なんだ」
「え、そうなのか? 朝のは違うのか? 大声出してたけど」
「あれは笑い声だ。お前はいいよな、もう3回目だろ?」
「そうだが、宮本なんてもう今日10回だぜ? いいよなぁ」
この会社では、玉田が素質があると見抜いた人間ほど玉田に怒られる。怒られない人間は早々に退職することが多い。
今日も玉田の怒鳴り声が聞こえる。それを聞きながら、他の社員は羨望のまなざしでパソコンを見続けるのだ。
その他
公開:20/03/06 21:23
会社
仕事
短編掌編をよく書いています。
時々何かに入賞したりします(2回)。
わけのわからない世界観を生み出したいです。
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