幻想世界#5 貴方の為なら

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僕は、極めて計画的に生まれました。人工的に天才を作る、というそのプロジェクトにおいて、望んだ訳でも無いのに、僕は唯一の成果物となりました。僕の世界は、いつも灰色でした。
そこから救い出し、世界に色を付けてくれたのは、貴方です。空気の香り、朝陽の温度--それらを教えてくれた貴方を--お慕いしています。貴方の為なら、全て投げ出せるのです。
そんな貴方は、平等な世界を望みました。戦って、殺して。平和な世界の為に、何かを奪う矛盾に、苦しんで。
このままでは、貴方の願いは叶いません。何千回と予測を重ねましたが、貴方が悪として、解が収束するのです。でも心配は要りません。僕はついに、そうならない、望ましい解を得ました。何故、気付かなかったのかと思える程、簡単な方法だったのです。
欲を言えば--貴方の隣で、その世界を見たかった。それでも貴方の為なら、何も惜しくはないのです。命も、名誉も。真実でさえも--。
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公開:20/03/04 03:56
幻想世界シリーズ プラトニックラブ ファンタジー

柊七十七

WEB小説執筆遍歴: エブリスタ(お休み中)→時空物語(サイト閉鎖)→ショートショートガーデン 現在に至る。

詩と、短編書きです。

#付きタイトル作品
幻想世界シリーズ: ひとつひとつは独立の世界です。日常のふとした思いや、ある日見た印象的な夢など。
ヒトのココロの暗い部分シリーズ: 暗い詩。

#無しタイトル作品
コンテスト参加用。

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