13人の誰か

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「あれっ!?」
朝起きてツルッターを見ると、なんと13個も「イイね」が付きツルイートもされていたのだ。
これは快挙だった。
なにせ、今までほとんどイイねを貰った経験などなく、ここ最近は0行進が続いていたから⋯⋯。
あたしはとても良い気分で職場に向かった。

次の日も同じように13のイイねとツルイートがされていた。
それどころか、今まで投稿したツルートもかなり遡ってイイねが付いており、すべて判で押したように13だった。
「全部13なんて⋯⋯」
まさかと思い、イイねをしてくれた13の人達を調べてみると、あたしの予感は当たりすべて同じ13人が押していた。
そして彼らのメインページに行くと、ツルイートされたあたしの投稿ばかりがずらずらと並んでいた。

「えっ何よ、これッ!?」
とさけび声を上げると、あたしの頭の奥で何かがぐるりと回転した。
そして、13人のうちのひとりのオレに入れ替わった──。
ホラー
公開:20/03/05 13:25
更新:20/03/19 13:14
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渋谷獏( 東京 )

(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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