肋間神経痛

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「肋間神経痛ですね」
医者に告げられ、私は上着を脱いだ。
あばらに指を食い込ませると、バリィッとそれを引き裂く。未知の技術で無傷で肋骨を摘出し、鳥籠のように引き合わせると私は怒りをあらわにした。
「おい!神経!まーたお前かい!いっつも無駄に痛みやがって!左胸だから肺とか心臓とかかと思うじゃんか!ややこしいことすんな!」
肋骨と神経も黙っていない。
「しゃーないやん、四六時中体の不調があったら大変だと気を張っとんねん。間違いのサインの一つや二つあるわい」
「間違いのサインを3日連続も出すない、肺癌かと思うやん!」
「あれか、ストレス違うの?自律神経も失調しとんのやろ」
「減らず口叩く部位はここか?ここか?」
「ぎゃああやめい、折れる!」
肋骨と喧嘩をする患者を尻目に、医者はサラサラと処方箋を書いていく。
「これで自分を労ってね」
自分のことながら、御しきれない。だから大事に、と医者は言った。
その他
公開:20/03/03 12:15
憎しみの肋間神経痛

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
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『枇杷の独り言』
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写真は全て自前でやっています(笑)

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