まっとう
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森の中にいる。鳥の声がする。木々の隙間からは太陽が見えている。足元の草は湿っている。おそらく昨日、雨が降ったのだろう。僕は昨日、ここにはいなかった。家の中で、じっとしていた。テレビもつけず、電気もつけず、じっとしていた。リッツを何枚か食べ、水を飲んだ。何もすることがなかったし、したいこともなかった。汗を掻けばいくらか気分が変わるだろうかと思い、シャワーを浴びた。浴室の鏡に映った自分の顔は、まともじゃなかった。座りすぎていたせいで、背中が痛んだ。僕は救いを求めるように部屋を出て、この森に来た。
森は退屈だった。それに加えて、汚かった。落ち葉は濡れ、土にまみれていた。リッツも水もなかった。テレビをつけないという選択も、電気をつけないという選択も、できなかった。僕は、自分の無様な姿を、あるいは楽しんでいたのかもしれない、と思った。それからなぜか、僕はまっとうだ、とも思った。
森は退屈だった。それに加えて、汚かった。落ち葉は濡れ、土にまみれていた。リッツも水もなかった。テレビをつけないという選択も、電気をつけないという選択も、できなかった。僕は、自分の無様な姿を、あるいは楽しんでいたのかもしれない、と思った。それからなぜか、僕はまっとうだ、とも思った。
その他
公開:20/03/03 02:22
基本的に、無、です。
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