笑点を当てる
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バイク事故を起こした俺が目を覚ますと舞台袖にいた。
「おい、そろそろ出番だぞ」
そう声をかけてきたのは数年前、病気で亡くなった相方だ。
「いきなりで悪いが笑点の演芸だ。行けるか?」
俺はここが死後の世界だと理解した。その上で「勿論だ!」と相方に返すと舞台に上がり漫才を披露した。
相方が「よく覚えていたな」と目配せすると「最高の相方のネタ、忘れるわけないだろう」と返す。
舞台袖に戻った俺にもう一つ仕事が舞い込んできた。大喜利だ。
俺は相方が亡くなってから落語家になった。いいだろう。その実力見せてやる。
並み居る大ベテランに臆する事なく、俺は貪欲に笑いを取りに行った。
あれよあれよと積み重なっていく座布団。ついには十枚に達し、俺は御褒美として天国行きのチケットを手に入れた。
だが俺はそれを断った。代わりに地獄に戻してくれと願った。
病院のベッドで目を覚ました俺はネタ帳にこの出来事を書いた。
「おい、そろそろ出番だぞ」
そう声をかけてきたのは数年前、病気で亡くなった相方だ。
「いきなりで悪いが笑点の演芸だ。行けるか?」
俺はここが死後の世界だと理解した。その上で「勿論だ!」と相方に返すと舞台に上がり漫才を披露した。
相方が「よく覚えていたな」と目配せすると「最高の相方のネタ、忘れるわけないだろう」と返す。
舞台袖に戻った俺にもう一つ仕事が舞い込んできた。大喜利だ。
俺は相方が亡くなってから落語家になった。いいだろう。その実力見せてやる。
並み居る大ベテランに臆する事なく、俺は貪欲に笑いを取りに行った。
あれよあれよと積み重なっていく座布団。ついには十枚に達し、俺は御褒美として天国行きのチケットを手に入れた。
だが俺はそれを断った。代わりに地獄に戻してくれと願った。
病院のベッドで目を覚ました俺はネタ帳にこの出来事を書いた。
公開:20/03/02 19:23
元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。
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