林家の嫁６

　今日も銀子順子に愚痴を聞いてもらっている。

「今日はなんや」
と面倒くさそうに銀子が答えた。​

「嫁は掃除もろくにできんのや。木目にそって床を拭かないから、拭きあとは汚いし、料理の盛り付けも、水が出ているナムルは少し深めの皿にいれろといったのに、普通の平たいお皿に入れてるし」
と嫁の家事能力に低さを愚痴る。​
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「木目に沿ってって、あんたもいつもしてるん」と順子の問いに
「たまに」と答えた。
「あんたもしてないことを嫁に強制してるのか」と順子ははぁーと息を吐いた。
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「皿もこの前は大きめの平たいお皿に入れたほうが見た目がキレイっていってたやろ」と銀子。
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「いや、『タッパーのままテーブルに出したら皿洗う量が減るのに』って嫁が洗う皿の量を増やすって文句いってなかったっけ？」と順子もさらに言葉を重ねる。
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　この頃嫁の愚痴を溢すたびに、順子も銀子も本当に私の友達なのかと思う。