海の向こうからの1本の電話

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 一人目の妊娠の時、夫の月給は10万円だった。
「なんでこんなにすぐ妊娠したんだ」といわれた。つわりも生まれる1週間前まであったが仕事は続けた。
 2人目の妊娠を告げたときは、夫が辞表を出した日だった。夫は唖然としていた。
 3人目の妊娠の時は、夫は失業中で、「俺は知らん」といわれた。
 姑からは、堕胎の手術を勧められた。
 子供ができても1度も夫からの喜びの声をもらえなかった。
 打ちひしがれていた私に1本の電話。
 遠く海の向こうに住んでいる父からの電話だった。​
 父には夫の失業は言わず、3人目の妊娠をつげた。
「おめでとう。ようやった。3人いたら家は繁栄するんや」
 3人育てるお金の心配を告げると
「子供は自分の食い扶持は持って生まれるから心配せんでええんや、大丈夫」と父に力づけられた。
 現在私の身長を超えてしまった3人の子供達。
 今私は父の言葉の通りだったことを嚙みしめている
その他
公開:20/03/04 18:00
更新:20/03/05 16:46
妊娠 出産 3人 自分の食い扶持 海の向こうからの電話

叶こよ( 海外、エブリスタ )

叶こよ(かのうこよ)と申します。
2020年2月25日からここで書いてます。

なかなか素敵な文章表現ができなく、日本語の難しさを感じながら書いてます。
こちらで短編を書きながら、いろいろ学びたいと思います。
よろしければいろいろアドバイスをいただければ、とても力になります。
よろしくお願いします。

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