フェアリーモード+(6)敏腕マネージャー桧山真理子が星塚きらりに見せたもの

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「私には無理です。園子がどうしても苦手なんです」
 事務所で桧山と二人っきりになった星塚きらりは、さめざめと泣いた。
「誰よりも一番アイドルになりたいって言ってたの、貴女じゃない」
「でも…」
 そこへ、ヒナちゃんが現れる。
「きらり、どうしたの?」
 ヒナちゃんは、不思議そうな顔をすると、ポッケからキャンディーを取り出した。
「一個きらりんにあげる」
 そういうと、ヒナちゃんはにっと笑って去っていった。
「あの子、天使みたい…」
「ヒナを、ただの天使だと思わないほうがいいわ」
 桧山は憮然と一ヶ月前の静岡新聞を見せた。

<浜松市の幼稚園児、南極のペンギンに会うため54回目の脱走 またもや失敗! 「絶対にあきらめないもん」>

 きらりはその新聞を握りしめ、やがて肩を震わせた。
 あの子はただの天使なんかじゃない。私は幼稚園児にガッツで負けたんだ。
 悔しさは熱い涙となって、頬を伝った。
その他
公開:20/03/03 22:25
更新:20/03/04 19:57
桧山真理子 星塚きらり ヒナちゃん フェアリーモード+

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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