切手博物館

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「なあ、切手の博物館って行ったことある?」

「切手の博物館?初めて聞いたよ。」

「俺、この前行ってきたんだけど面白かったぜ」

「面白い?飾られているのはただの切手だろう?」

「それがさ、あそこの切手は動くんだよ!」

「動く?そんな馬鹿な」

「本当なんだよ。花の切手に蝶が留まってたり、猿の親子の切手に子ザルがいたりいなかったりしたんだ!
それに肖像画の切手同士で喋っていたんだよ」

「本当かどうかはさておき、面白そうだね」

「たださ、一つだけダメなとこがあるんだよな」

「ダメなとこ?」

「ほら、切手に落書きしたら切手の価値は無くなるだろ?
切手同士とはいえ、他の絵柄に入り込んだ切手には価値がなくなるんだよ。
だからあの博物館は切手博物館じゃなくて、切手のようなアートを飾ってるインチキ博物館ってわけ」

「じゃあ、君がくれたこの切手は?」

「それは切手っぽい紙きれだな」
その他
公開:20/03/03 21:59

べね( 千葉 )

私の作品を読んで頂きありがとうございます。

趣味でショートショートを書いています。
だいたい即席で書いているので、手直しする事が多々あります。
多忙のため更新頻度はとても低いです、ごめんなさい。
星新一さんや田丸雅智さん、堀真潮さんの作品に影響を受け、現実感のある非現実的な作品を書くのが好きです。
最後の1文字までお楽しみください。

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