ロボット恐怖症

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「どうしてもロボットが怖いんです……。私もう耐えられなくて……」
「なるほど。奥さん、それはロボット恐怖症ですよ。当医院では初めてですが、ほかの病院での症例は聞いています。まずは、どんなロボットが怖いのですか?」
「携帯ショップに置かれている案内役のロボットとか……。今にも殺されてしまうんじゃないかって思ってしまうんです」
「なるほど。他には?」
「あとはスマホのAIアシスタントもダメなんです。声だけでも相当な恐怖を感じます……」
「なるほど。最近は技術の発達でどこにでもそういうロボットはいますからねぇ」
「はい、それで困ってしまって……」
彼女が話している医者は、国中の技術者が全精力を尽くして極限まで人間に近づけたAIロボットである。
診察の様子を見ていた技術者たちは皆歓喜し躍り上がった。
SF
公開:20/03/03 21:39

田坂惇一

ショートショートに魅入られて自分でも書いてみようと挑戦しています。
悪口でもちょっとした感想でも、コメントいただけると嬉しいです。

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