しわ

X博士が不老治療の開発に成功し、すぐに医療現場で使われ始めた。
不老といっても、実体は注射した部位のシワを、一生除去するというものだった。
これまでも、ボトックス注射によってシワを除去することは可能だったが、継続して行う必要があり、不老とは程遠かった。
今回の発明により、ついに死ぬまで一生若い状態を保てることが可能になったのだ。ただ一点、金額がネックとなり、庶民には手が出せず、富裕層のみがこの治療を受けられた。
そんなある日、X博士の家に強盗が押しかけ、
「おい！X博士俺に例の治療をしろ！いうことを聞かなかったら刺し殺す！」
と脅迫した。
「わかったから落ち着いてくれ。全身でいいんだな、ではそこに座ってくれ」
X博士は落ち着いた様子で、強盗に注射を刺した。要求どおり全身のしわがなくなるように。
「全く、全身と言ったのは君だぞ。脳のシワまでとってほしいだなんて」
「あぁ…うぅ…」