おまもり

四葉のクローバーを見つけると幸せになれる。
そう教えてもらった私は四葉のクローバーを必死に探した。
四葉のクローバーを見つけた私はそれをぎゅっと握って、絶対になくさないようにと強く握りしめて家に帰った。
四葉のクローバーは長く握りしめ続けた事で萎れていた。
萎れてしまった四つ葉のクローバーを見て私は泣いてしまった。
そんな私を見て祖母は驚いたという。
祖母は私に「大丈夫」と言ってくれた。

翌日、祖母が１枚の栞をくれた。その栞には四葉のクローバーが挟まれていた。
「ほら、大丈夫でしょ」
その栞は今でも私の大切な宝物だ。
そして同時に大切なお守りでもある。
私は今、押し花で栞を作る職人として生計を立てている。
美しい栞を手にして隣の本屋で何か買って行こうかとお客さんの声を耳にする。
ぜひそうして下さい。娘が営む本屋は名作揃いですよ。
祖母と同じ年になった私は栞を通じて娘の店をお守りしている。