淡く透けたホログラムは思い出に似ている
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デジタルと融合した未来。
立体的なホログラムをアクセサリーとして身に着けることができるようになり、とある会社が開発した『ご褒美システム』が一際人気を集めている。
10、20歳と節目をむかえるごとに、人それぞれの『心を満たす何か』を褒美として受け取ることができるのだ。
「おばあちゃん可愛い。ご褒美がお花なの素敵だねぇ」
まだ9歳の彩枝は、60歳をむかえた祖母の頭に乗っている花の冠を羨ましそうに見つめている。
「ありがとう。花を6回貰って、ようやく冠を作れる量になったのよ」
祖母は冠を撫でながら花にも負けない笑顔を浮かべた。
「この冠を作ったら思い出したわ。まだ小さい頃、初めて男の子に花を貰ったとき……すごく嬉しかったこと」
男の子、と言いながら祖母は庭で花壇の手入れをする祖父に視線を向ける。
デジタル技術が発達しても、人を若々しく輝かせる一番のアクセサリーは身近な人との思い出のようだ。
立体的なホログラムをアクセサリーとして身に着けることができるようになり、とある会社が開発した『ご褒美システム』が一際人気を集めている。
10、20歳と節目をむかえるごとに、人それぞれの『心を満たす何か』を褒美として受け取ることができるのだ。
「おばあちゃん可愛い。ご褒美がお花なの素敵だねぇ」
まだ9歳の彩枝は、60歳をむかえた祖母の頭に乗っている花の冠を羨ましそうに見つめている。
「ありがとう。花を6回貰って、ようやく冠を作れる量になったのよ」
祖母は冠を撫でながら花にも負けない笑顔を浮かべた。
「この冠を作ったら思い出したわ。まだ小さい頃、初めて男の子に花を貰ったとき……すごく嬉しかったこと」
男の子、と言いながら祖母は庭で花壇の手入れをする祖父に視線を向ける。
デジタル技術が発達しても、人を若々しく輝かせる一番のアクセサリーは身近な人との思い出のようだ。
SF
公開:19/12/13 21:55
更新:19/12/13 22:04
更新:19/12/13 22:04
Twitter@N_natsuo
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