クリスマス査定

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 12月になると、子供達はクリスマス査定が気になりだす。
 良い子認定SやAだと自分の好きな物が届く。
「私、ライブのチケットが欲しい」
「ゲームのハードが欲しい」
「ハードはSじゃないと無理じゃないか?」
「Aだとソフトかな」
 だが査定が下になると、特に嬉しくもない生活必需品だったり、読みたくもない本だったり、果ては辞書や問題集になる。
「そんなものはクリスマスじゃなくてもいいじゃん」
 子供達は思っていても口には出さない。査定に響くからだ。
 一所懸命、良い子にしてクリスマスを待つ。

 当日。
 新しいサッカーボールや、新しい服、高価な電子辞書をもらった子供達が複雑な表情でプレゼントを見つめる。
 嬉しいけど、役に立つけど、ちょっと違う。

 それには理由があった。
 査定には両親や先生の評価も入る。
 子供に無駄なものを与えたくない親が、こっそり低い評価をつけているのだった。
 
ファンタジー
公開:19/12/13 11:24

堀真潮

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tamanegitarou1539@gmail.com

 

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