弓道
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ここは鴨池高校、弓道場。
等間隔に置かれた丸い的と、その対面に弓を構える弓道部員達の姿が見える。
凛として、威風堂々たる彼らの立ち姿は美しい。
黒い胴着と白袴は、力強さと清潔さを同時に感じさせる。
ぴん、とした緊張感が張り詰める中、一人の部員が前に進み出て弓を構えた。
正しい所作で、ゆっくりと自らの肉体と時の流れをすり合わせていくように弓を引き絞る。やがて完全に引き絞ったところですべての動作がぴたりと止まった。
すべての音がこの世界から消失する——。
空気中に満たされたエネルギーのすべての波長が重なり合い、沈黙の中に溜め込まれた感覚が一つの光点となった時、矢は解き放たれた。
空気の切り裂かれる音が響く。
放たれた矢はまるで吸い込まれるように鋭く一線に心地よい音を立てて的の中心に突き刺さった。
弓を下ろすその横顔に邪念はない。
そこには澄み渡る冬の抜けるような晴天から陽が差し込んでいた。
等間隔に置かれた丸い的と、その対面に弓を構える弓道部員達の姿が見える。
凛として、威風堂々たる彼らの立ち姿は美しい。
黒い胴着と白袴は、力強さと清潔さを同時に感じさせる。
ぴん、とした緊張感が張り詰める中、一人の部員が前に進み出て弓を構えた。
正しい所作で、ゆっくりと自らの肉体と時の流れをすり合わせていくように弓を引き絞る。やがて完全に引き絞ったところですべての動作がぴたりと止まった。
すべての音がこの世界から消失する——。
空気中に満たされたエネルギーのすべての波長が重なり合い、沈黙の中に溜め込まれた感覚が一つの光点となった時、矢は解き放たれた。
空気の切り裂かれる音が響く。
放たれた矢はまるで吸い込まれるように鋭く一線に心地よい音を立てて的の中心に突き刺さった。
弓を下ろすその横顔に邪念はない。
そこには澄み渡る冬の抜けるような晴天から陽が差し込んでいた。
青春
公開:19/12/15 08:46
弓道
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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