撮影禁止のトナカイ
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東ヨーロッパでのクリスマスは、良い子にはプレゼントが、悪い子には石炭が配られる。
「おい、トナ男トナ子。去年のレビュー星1だったぞ」
サンタは、枯れ草をふてぶてしく食む二頭のトナカイに声をかけた。
昨年のクリスマス、トナカイ達は、執拗に写真を撮る大人たちに激昂した。サンタがプレゼントを運ぶのを止め、彼は、圧力に屈し、村の子供たち全員に石炭を配る羽目になった。
翌年、サンタは「撮影禁止」と通知し、同じ轍を踏まなかった。全員にプレゼントを渡し、石炭だけが残ったそりに乗って帰ろうとした。
木造の家から老人が出てきた。
「サンタ、暖房用に石炭くれ」
「これは悪い子用です」
「昨年はくれたじゃねえか」
パシャパシャ、老人はトナカイにフラッシュを焚いた。
二頭は、そりを曳いたまま老人の家へと突進し、直前でブレーキをかけた。二頭からサンタを乗せたそりが外れ、壁に穴を空け、石炭をぶちまけた。
「おい、トナ男トナ子。去年のレビュー星1だったぞ」
サンタは、枯れ草をふてぶてしく食む二頭のトナカイに声をかけた。
昨年のクリスマス、トナカイ達は、執拗に写真を撮る大人たちに激昂した。サンタがプレゼントを運ぶのを止め、彼は、圧力に屈し、村の子供たち全員に石炭を配る羽目になった。
翌年、サンタは「撮影禁止」と通知し、同じ轍を踏まなかった。全員にプレゼントを渡し、石炭だけが残ったそりに乗って帰ろうとした。
木造の家から老人が出てきた。
「サンタ、暖房用に石炭くれ」
「これは悪い子用です」
「昨年はくれたじゃねえか」
パシャパシャ、老人はトナカイにフラッシュを焚いた。
二頭は、そりを曳いたまま老人の家へと突進し、直前でブレーキをかけた。二頭からサンタを乗せたそりが外れ、壁に穴を空け、石炭をぶちまけた。
その他
公開:19/12/14 22:27
はじめまして。田丸先生の講座をきっかけに小説を書き始めました。最近は、やや長めの小説を書くことが多かったのですが、『渋谷ショートショート大賞』をきっかけにこちらに登録させていただきました。
飼い猫はノルウェージャンフォレストキャットです。
宜しくお願い致します
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