イタリアの少年
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日曜日の朝、エドは教会の入り口に立って寄付を呼びかけている。
そこへ一組の親子がやって来た。
「どうぞ、寄付を」
「あいにくですが、あまり金がないもので……」
父が申し訳なさそうに断ると、息子が声を弾ませた。
「昨日、家でボーナスが入ったって騒いでいたのに!」
父は顔をしかめた。
「実はその金は、昨日使いきっちまったんです。息子がレストランで、ある高貴なご婦人の服にジュースをこぼしてしまいまして……」
「それで弁償を?」
少年は肩をすくませた。
「ごめんなさい。マクドナルドで、ママの服にこぼしちゃったんだ…」
「正直な子だね」
エドは少年の頭を撫でてやった。
「君はいつも何をして遊んでいるんだい?」
「パパとママなら、毎晩プロレスごっこしてるよ」
「へえ」
「いつもママがやられ役なんだ」
父は肩をすくませた。
「……5ユーロで?」
エドは握手した。
「貴方に神の祝福のあらんことを!」
そこへ一組の親子がやって来た。
「どうぞ、寄付を」
「あいにくですが、あまり金がないもので……」
父が申し訳なさそうに断ると、息子が声を弾ませた。
「昨日、家でボーナスが入ったって騒いでいたのに!」
父は顔をしかめた。
「実はその金は、昨日使いきっちまったんです。息子がレストランで、ある高貴なご婦人の服にジュースをこぼしてしまいまして……」
「それで弁償を?」
少年は肩をすくませた。
「ごめんなさい。マクドナルドで、ママの服にこぼしちゃったんだ…」
「正直な子だね」
エドは少年の頭を撫でてやった。
「君はいつも何をして遊んでいるんだい?」
「パパとママなら、毎晩プロレスごっこしてるよ」
「へえ」
「いつもママがやられ役なんだ」
父は肩をすくませた。
「……5ユーロで?」
エドは握手した。
「貴方に神の祝福のあらんことを!」
その他
公開:19/12/14 19:29
プロレスごっこ
少年
父親
寄付
教会
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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