雪華鏡

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シベリアの永久凍土で真冬の氷点下のある極限状態のときにだけ自然にできるという「雪華鏡」。
雪華鏡は、鏡のように洗練された硬い氷でできており、外見は万華鏡に似ているが、マトリョーシカのように入れ子状態になっているところが特徴だ。
雪華鏡を覗くと、その名のとおり、六角形のさまざまな雪の結晶が見える。雪華鏡をクルクル回すと、扇状、角板状、樹枝状、柱状、鼓状――雪の結晶の模様がいろいろと変わる。また時折、雪の結晶に混じってスノーダストを見ることができ、その美しさは言葉に表せないほどだ。芸術的な神秘性から、ロシア正教会の大聖堂でステンドグラスのデザインにも採用されている。
雪華鏡は、冬将軍が愛する姫に贈ったものと言い伝えられており、「氷姫鏡」という別名もある。またロシア帝政時代に雪華鏡は、皇帝の至宝としてクレムリンの宮殿で献上された。
現在も雪華鏡は、エルミタージュ美術館で冷凍保存されているという。
その他
公開:19/12/12 18:30
シベリア 永久凍土 万華鏡 マトリョーシカ 結晶 スノーダスト ロシア正教会 クレムリン エルミタージュ美術館

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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