ペイペイエンザ

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「ペイペイエンザ、ですね」
医師はさらりとそう言った。
「ペイペイエンザ?」
「時代の変化で増加している新種のウイルスです」
インフルエンザみたいなものだろうか。しかしインフルエンザに比べとる体の辛さは軽い。ただ精神的にはかなりきている。
「クスリとアプリを出しておきます」
アプリ?
「サプリですか?」
「いえ、アプリです。スマホでご使用になって下さい」
「ガラケーでも使えます?」
医師の目が見開かれた。その顔には納得と哀れみの色が浮かんでいる。
「少し長引くかもしれませんな。まぁ、お大事に」
「そうですか。ありがとうございます」
やれやれ、たちの悪いウイルスにやられたのは間違いなさそうだ。

「診察終わったぁ?」
外に出ると彼女が待っていた。
「ペイペイエンザだって」
「なにそれぇ? それより欲しい物があるのー」
「またかよ。いくら?」僕は財布から現金を取り出した。「領収書、忘れるなよ」
その他
公開:19/12/12 23:54
更新:19/12/13 01:18
紙のPayPay スクー

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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