愛しのオコタくん

兄さん、大事件よ。
その日はめちゃくちゃ寒かったの。仕事を終えて、急いで家に帰ったわ。家には愛する「オコタ」が待っているからね。
あ、オコタは彼氏やペットじゃないよ。コタツのこと。
そのコタツが、忽然と消えていたの。私、年甲斐もなく発狂しちゃった。
だってコタツがないんだよ？　死活問題でしょ？
その夜、荒れに荒れちゃった。もう酒浸りよ。ベロンベロン。
で、次の日ね。私、仕事を休んでコタツを探しに行ったの。
きっと家出をしただけ。必ずどこかにいるわ、と思って。
どれくらい探したかなぁ。ついに見つけたのよ。そう、コタツ。どこからどう見ても私の愛するコタツ。
どこにあったと思う？　公園よ、公園。とにかく持って帰らなきゃ、とコタツを担いだの。
するとビックリ。なんと、野良の子猫ちゃんがいっぱい！
まさか寒さに震える子猫ちゃんを守るために家を出たなんてねぇ。
ほんと優しいんだから。キュンとしちゃう。