最強の強盗

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「ここか」
盗賊しかわからない道端のマークをたどりながら隠れ家にたどり着く。
「いらっしゃい」
ついたところは豪華な宴会場、それも王族御用達なみのレベルだ。
まさか選ばれた盗賊が集う特殊なパーティーとは誰も思うまい。

向こうの奴は美術品専門で、自分だけの美術館を作ったらしい。
パーティーの花となっているあの女は結婚詐欺で大国の王を騙したらしいぜ。
あちこちで盗み自慢が始まる。俺はそれを黙って聞いている。

「いやあ、皆さんすごいですねえ」と俺が愛想笑いをすると奴らは調子に乗ってあることないことまじえた武勇伝を喋り始めた。

「ところで、旦那は何を盗まれたので?」
「盗んだのでなく、奪ったのだがな。まあいい」
パチンと指を鳴らすと部下たちが次々と盗賊たちを捕縛していく。
「天下、といえばわかるかね」

貴様らの自由は奪わせていただいた。
せっかく獲った国のため利用させてもらおう。
ファンタジー
公開:19/12/11 18:58

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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