見参!めしつくり器!!

14
11

私は料理が苦手だった。
学生時代、グラタンだの天麩羅だのを作る強者の後輩(男)から
「先輩、うどんも作れないんですか」
と呆れられたぐらいだ。

現在は随分と進歩した。
我が家に炊飯器はない。鍋で炊くのだ。ハンバーグやコロッケを作る時の情熱は湯が沸かせるぐらい熱い。暮れにはおせち、秋には栗きんとんを欠かさず作る。

「料理上手なんですね」

私は首を傾げる。
私のポンコツ辞書に『料理上手』という文字はない。何故なら私にはセンスの欠片もないからだ。

料理上手には盛り付けのセンスが必須だ。料理上手な人は、作ったものを最大限美味しそうに見せる術を心得ている。

まあ向き不向きは仕方あるまい。熱々が食べられるなら良しとしよう。

そんな訳で、私は自らを『めしつくり器』と呼ぶ。自虐ではなく、いささかの自負を込めて。夫も笑う。
搭載されているのは幾分型落ちしたAI≒愛だが、それもまたご愛敬である。
その他
公開:19/12/11 12:15
更新:19/12/11 13:56
本読んでも無駄 美味しいなーと思えればOK レトルトやカップ麺も好き♪

秋田柴子

2019年11月、SSGの庭師となりました
現在は主にnoteと公募でSS~長編を書いています
留守ばかりですみません

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・note×Panasonic「思い込みが変わったこと」コンテスト 企業賞
・SSマガジン『ベリショーズ』掲載
(Kindle無料配信中)

【近況】
 第31回やまなし文学賞 佳作→ 作品集として書籍化(Amazonにて販売中)
 小布施『本をつくるプロジェクト』優秀賞

【note】
 https://note.com/akishiba_note

【Twitter】
 https://twitter.com/CNecozo

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容