占いと運命

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 街角に占い師がいる。
 OL二人が当たるかどうか話している。
「当たるよ」
 通りがかった男は言った。
「あの占い師は当たる。俺も見てもらったが全部当たった」
 
 三年前の事だ。
「場所は港の公園。あなたはそこで自分の人生を変える運命の相手と出会うでしょう」
 占い師は言った。
 半信半疑だったが、休日に散歩に行った港の公園で、僕は彼女に出会った。
 一目で運命の人だとわかった。
 僕達は一瞬で恋に落ち、結婚した。
 堅実なだけが取り柄の平凡で退屈な僕の人生は一変した。
「あの時、港の公園に行かなければ、僕の人生は変わらなかった」

 そう言う僕を、胡散臭そうな目で見るとOL達は逃げて行った。
 無理もない。今の僕は路頭に迷って住所不定無職。
 こんな事になるなんて。
 僕を怪しい会社に転職させ、全財産巻き上げ借金を作り、男と逃げた彼女は、確かに僕の人生を変えた運命の女だった。
 
 
その他
公開:19/12/11 08:47
更新:20/09/23 00:29

堀真潮

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