因果応答

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「今日寒いから、ティーポットにした」
脈絡がおかしいが意味は解らなくもない。ポットティーの方が良いんじゃないか、結局内容は一緒だが。
「お茶切らしたから、コーヒーにした」
論理として正しくても方法は大間違いだ。この場合ティーポットで合っているという理屈は成り立つが。
「苦かったから、砂糖とミルク足した」
その心意気は買う、しかし正直お節介だ。せめてミルクティーなら許せたと思ってしまう自分が悲しい。
「カップもうないから、コップにした」
見たくないキッチンの惨状が目に浮かぶ。俺がいない間、どうやって生活してるのか、疑惑が拭えない。
「……洗うから。ところで火消した?」
「ポットのお湯だから。元栓は消した」
最初から最後まで突っ込みどころ満載だ。蓋を開けると、辛うじて湯気が見えるコーヒー色の牛乳。
「賞味期限切れたから、全部投入した」

駄目だ危険過ぎる。
仕方ないから、彼女にプロポーズした。
ミステリー・推理
公開:19/12/12 10:31
君の思考プロセスは 致命的に誤っている。

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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