6
6

――まいったな。
 男は今の状況に困惑していた。
 就寝中うなされて目が覚めると、同時に体が動かせなくなっていた。
 それだけではなかった。
 仰向けの男の胸の上に一人の髪の長い女がいた。
 白装束を来たその女は前髪で顔が完全に隠れて見えず、案の定、下半身はうっすらと透けていた。
 男は意を決して話かける。
「あなたはいわゆる幽霊とお見受けする。
 すまんが、どいてくれないか。僕は明日朝早いんだ」
 幽霊は髪を揺らしながら、首を左右に振った。
「何でできないんだ。……え、足? 見た所ないようだが」
 消えそうなか細い声の返答だった。
「……私は今、あなた様に憑いています。つまり私の今の足はあなた様。
 あなた様が痺れて動けないでいるため、私も動けないのです」
ホラー
公開:19/12/11 19:28

ルイス足永( 関東 ケヤキの葉の上 )

ルイス足永(アシナガ)と申します。
普段はニコニコ静画に画像付きの作品を転がしています。
こちらにも載せれそうな作品の投稿をしたいと思います。
twitter:https://twitter.com/otoshibumi57
ニコニコ静画:http://seiga.nicovideo.jp/clip/2497487

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容