千夜一夜物語に憧れて

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「君はシェヘラザードにでもなるつもりなのか?」
SSGへの投稿数、千作品も近づいたある日、友人にそう聞かれた。
私は首を振る。もし私がシェヘラザードであったのなら、もうとっくに死んでいるだろう。
彼女は魅力的な物語を語ることが出来る。私には出来ない。
「だからこそだよ。魅力的な作品を千夜語れるシェヘラザードのようになりたいのか?」
重ねて友人が質問してきた。難しい質問だね。可能であればそうしたい。だが、無理だろう。私にはそんな才能はない。それに私の作品を読んで救われる命なんてない。
「それはどうかな?人間、日々生きる目的ってのは大体くだらないものだ。美味しいものを食べたい。素敵なものが欲しい。本の続きが読みたい。そんな繰り返しだ。その中で、君の物語を生きる糧にしている者がいてもおかしくないだろう?」
もしかして…それが君なのかい?
「いいや。自分は君がどこまで書けるか気になるだけだよ」
公開:19/12/11 19:10

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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