『宴』 裏側

6
7

娘が宴に出席するそうだ。
それを聞いた夫は強く止めた。

若い娘が宴会なんてホイホイ行くもんじゃない!いいか、お前は知らないだろうから教えてやる。
宴というのはだな、ハメを外して飲み食いした挙句、良い気持ちだと思っていたら記憶がなくなるんだ。自分が何をしていたか分からなくなるんだぞ、怖いだろ。
それに体調が悪くなって激しく吐いたりして地獄の苦しみを味わうんだ。そうして困っているところをうまいことしてお前をパクリ!とする奴だっているんだ。
いいか娘よ。だから宴なんて行くもんじゃない。

私は苦笑した。
何言ってるの。ウチの子はまだ幼稚園児なのよ。そんな事ある訳ないでしょ。
ほら、気にしないでお友達の誕生会、楽しんでらっしゃい。
そうして娘は楽しそうに出掛けていった。

だが私は思う。
まあ夫の言うことは一理ある。
だってかくいう私も、宴席でこの人に介抱してもらって今こうしているのだから――。
その他
公開:19/12/11 19:01

とーしろさん

はじめまして~。
いつだって初心で、挑戦者のこころでぶっ込みたい素人モノ書きです。

沢山の方々に支えられ、刺激を与えられ、触発されて今日ももちょもちょ書いております。
一人だけでは生み出せないモノがある。
まだ見ぬステキな創造へ、ほんの少しずつでも進んでいきたい。

ショートショートというジャンルに触れる切っ掛けをくださった、
月の音色と大原さやかさんを敬愛し感謝しております。

興味をもって読んでくださる全ての方にも、ありがとうございます~^^

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容