夜焼け空
0
3
二人で見上げた空を思い出した。
赤く染まった空だった。
つい先ほどのことなのに、あれから永劫の時を過ごした気がする。
寂しいのだろうか。恋しいのだろうか。
そんな美しい感情でいられたらいいのにと、思う。
痛い。苦しい。嫌だ。死にたくない。
冷静に努めようとする傍らで、泣き喚く自分が存在感を増していく。
陽はとうに沈んでいた。夕陽でもなく空は赤かった。戦火に照らされた空が、赤黒く光っていた。
倒壊した建物に押し潰された君を見捨ててまで逃げてきたのに、私の足ももうずいぶんと燻されてしまった。灰が焼け焦げてでもいるのか、息を吸うたびに死にたくなるほどの激痛が走った。死にたくないのに、死にたくなるほどの。
「ぼくはもう、諦めてもいいのかな」
声にならない声を絞り出す。
「ええ。あなたはがんばったもの」
自らを慰撫する空想だと察していても、私の心に、その声がひどく優しく響いた。
赤く染まった空だった。
つい先ほどのことなのに、あれから永劫の時を過ごした気がする。
寂しいのだろうか。恋しいのだろうか。
そんな美しい感情でいられたらいいのにと、思う。
痛い。苦しい。嫌だ。死にたくない。
冷静に努めようとする傍らで、泣き喚く自分が存在感を増していく。
陽はとうに沈んでいた。夕陽でもなく空は赤かった。戦火に照らされた空が、赤黒く光っていた。
倒壊した建物に押し潰された君を見捨ててまで逃げてきたのに、私の足ももうずいぶんと燻されてしまった。灰が焼け焦げてでもいるのか、息を吸うたびに死にたくなるほどの激痛が走った。死にたくないのに、死にたくなるほどの。
「ぼくはもう、諦めてもいいのかな」
声にならない声を絞り出す。
「ええ。あなたはがんばったもの」
自らを慰撫する空想だと察していても、私の心に、その声がひどく優しく響いた。
恋愛
公開:19/12/09 19:10
お題
二人で見上げた空を思い出した
〜
その声がひどく優しく響いた
Twitter
@yosisige
上記アカウントにて駄文を垂れ流しているインターネットポエム揚げパン。
にほんご、すき。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます