ひとりぼっちの思い出
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空から花が降る。
私は今でもシロツメクサが摘めない。
小学校に入りたての頃、家の前の小さな公園でシロツメクサの花冠を作るのがはやった。少し年上のお姉さんのやり方を真似しながら、みんなで夢中で冠を作っては頭に飾って走りまわった。
次の春、シロツメクサが咲くのを私はずっと待っていた。でも、いくら待ってもその小さな公園ではシロツメクサは一輪も咲くことがなかった。前の年に花を摘みすぎたんだろう。
ほかの公園でシロツメクサが咲いていても、もう摘む気にはなれなかった。
「シロツメクサ、咲かなくなっちゃったね」
一緒に花冠を作った友達にそう言ってもなんのことかわかっていなかった。前の年に夢中で遊んだ記憶は、私だけのものなのかな。
後悔とかさびしさとか、その時の気持ちをなんて呼ぶのか当時の私は知らなかった。
ふと顔を上げるとシロツメクサの花が降ってきた。空から降る花は根付くことはないんだけれど。
私は今でもシロツメクサが摘めない。
小学校に入りたての頃、家の前の小さな公園でシロツメクサの花冠を作るのがはやった。少し年上のお姉さんのやり方を真似しながら、みんなで夢中で冠を作っては頭に飾って走りまわった。
次の春、シロツメクサが咲くのを私はずっと待っていた。でも、いくら待ってもその小さな公園ではシロツメクサは一輪も咲くことがなかった。前の年に花を摘みすぎたんだろう。
ほかの公園でシロツメクサが咲いていても、もう摘む気にはなれなかった。
「シロツメクサ、咲かなくなっちゃったね」
一緒に花冠を作った友達にそう言ってもなんのことかわかっていなかった。前の年に夢中で遊んだ記憶は、私だけのものなのかな。
後悔とかさびしさとか、その時の気持ちをなんて呼ぶのか当時の私は知らなかった。
ふと顔を上げるとシロツメクサの花が降ってきた。空から降る花は根付くことはないんだけれど。
ファンタジー
公開:19/12/10 21:27
更新:19/12/11 04:58
更新:19/12/11 04:58
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