フシメの分け目
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今年も一年フシメには世話になった。丁寧に洗って専用のブラシで綺麗に梳いてやる。
「あら、フシメの分け目を変えたのね」
「ああ、今までの分け目がちょっとしっくりこなくなったからなぁ」
同じ分け目ばかりにすると、おかしな癖がついて、頑固になる。時々こうして分け目を変えて新しい流れを作ってやると、調子がいいようだ。
「そうね。その方がなんだかしっくりくるみたいだわ」
「だろう?分け目のせいだかわからないけれど、春から本社に戻ることが決まってね」
「あらまあ!それは良かったわ」
フシメがウトウトしている。なんだか眠そうだ。
「少しゆっくりして次の節目までたっぷり力を養うといい」
フシメを撫でていると小さな渦巻きを見つけた。
「おい、新しいツムジが出来てるぞ!」
「あらやだわ、後で話そうと思ったのに。イチローのところね、子供が出来たみたい。初孫ねえ」
「あいつも親父か…」
来年も良い年になりそうだ。
「あら、フシメの分け目を変えたのね」
「ああ、今までの分け目がちょっとしっくりこなくなったからなぁ」
同じ分け目ばかりにすると、おかしな癖がついて、頑固になる。時々こうして分け目を変えて新しい流れを作ってやると、調子がいいようだ。
「そうね。その方がなんだかしっくりくるみたいだわ」
「だろう?分け目のせいだかわからないけれど、春から本社に戻ることが決まってね」
「あらまあ!それは良かったわ」
フシメがウトウトしている。なんだか眠そうだ。
「少しゆっくりして次の節目までたっぷり力を養うといい」
フシメを撫でていると小さな渦巻きを見つけた。
「おい、新しいツムジが出来てるぞ!」
「あらやだわ、後で話そうと思ったのに。イチローのところね、子供が出来たみたい。初孫ねえ」
「あいつも親父か…」
来年も良い年になりそうだ。
その他
公開:19/12/10 15:09
節目
人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。
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